カッシーナは本当に日本で知名度No.1の高級家具ブランドなのか?|イタリアモダンの頂点に立つ理由を徹底検証
- Norifumi Hanada

- 2 日前
- 読了時間: 9分

「カッシーナって日本で一番有名な高級家具ブランドですよね?」お客様からこのような質問を受けたことはありませんか?確かにカッシーナの名前を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、本当に「知名度ナンバーワン」と言い切れるのでしょうか。
実は、カッシーナは「日本で最も知られているイタリアモダン家具ブランド」として、高級家具市場で独特のポジションを確立しています。しかし、その「知名度」の内実は、単純な認知率だけでは測れない複雑な要因が絡み合っています。
この記事では、カッシーナが日本で特別な地位を築いている理由を、競合ブランドとの比較、歴史的背景、独自の戦略などから多角的に検証します。読み進めることで、なぜ多くの日本人がカッシーナを高級家具の代名詞として認識しているのか、その本質が見えてくることでしょう。
本記事のポイント
カッシーナの日本での知名度を支える3つの要因
B&B Italia、アルフレックスなど競合との決定的な違い
45年間の日本市場での実績と独自戦略
一流ホテルや富裕層に選ばれ続ける理由
投資価値としてのカッシーナ家具の実力
カッシーナが日本で特別な存在となった歴史的背景
1980年から続く45年の信頼関係
カッシーナが日本で高い知名度を誇る最大の理由は、1980年から45年間にわたる継続的な市場展開にあります。カッシーナ・イクスシーという日本法人が設立され、単なる輸入販売ではなく、世界で唯一のライセンス生産を認められた特別な関係を築いてきました。
この長い歴史は、日本の高級家具市場の成長とともに歩んできた証でもあります。バブル経済期には富裕層の憧れの的となり、その後の経済変動期も品質と価値を守り続けることで、ブランドイメージを確固たるものにしてきたのです。
日本独自の市場戦略
カッシーナ・イクスシーは、イタリア本国の製品をそのまま輸入するだけでなく、日本の住環境や日本人の体格に合わせた独自開発も行っています。1994年には群馬県桐生市に工場を開設し、2008年には伊勢崎工場へ移転・拡張。この「イタリア生まれ、日本育ち」という独自のポジショニングが、日本市場での圧倒的な存在感につながっています。
特筆すべきは、全国に展開するショールームネットワークです。東京・青山の旗艦店をはじめ、大阪、名古屋など主要都市に直営店を構え、実際に製品に触れる機会を提供し続けてきました。
なぜカッシーナは「知名度ナンバーワン」と認識されるのか
ブランド認知の3つの層
カッシーナの知名度を正確に理解するには、認知の層を分けて考える必要があります。
第1層:一般認知層(広く浅い認知) 高級家具に興味がない一般層でも「カッシーナ」という名前は聞いたことがある。これは、長年の市場展開と一流ホテルでの採用実績、メディア露出などによるものです。
第2層:関心層(ブランドイメージの認知) インテリアに関心がある層では、カッシーナ=高級イタリア家具の代名詞として認識されています。ル・コルビュジエのLCシリーズなど、アイコニックな製品のイメージが定着しています。
第3層:購入検討層(深い理解) 実際に高級家具の購入を検討する富裕層では、カッシーナの品質、歴史、資産価値まで理解されています。この層での支持の厚さが、ブランド価値を支えています。
メディア露出と文化的影響力
カッシーナは日本のライフスタイル誌や建築雑誌に頻繁に登場し、文化的アイコンとしての地位を確立しています。『Casa BRUTUS』『モダンリビング』などの高級インテリア誌では、必ずと言っていいほどカッシーナの製品が紹介され、それが一般層への認知拡大にもつながっています。
また、著名建築家やデザイナーとのコラボレーションも話題を呼び、単なる家具ブランドを超えた文化的存在として認識されるようになりました。
競合ブランドとの比較で見えるカッシーナの優位性
イタリアモダン3大ブランドの中での位置づけ
イタリアモダン家具の世界では、カッシーナ、B&B Italia、アルフレックスが3大ブランドとして知られています。しかし、日本での展開戦略には大きな違いがあります。
カッシーナの強み
1980年から日本法人による一貫した市場展開
世界で唯一のライセンス生産権
日本全国に直営ショールームを展開
日本市場向けの独自商品開発
B&B Italiaの特徴
世界的には売上高174億円とカッシーナ(135億円)を上回る
日本では代理店変更などで認知度に課題
デザイン性は高いが「日本の住環境には大きすぎる」という声も
アルフレックスの特徴
「イタリア生まれ、日本育ち」のコンセプト
日本の住環境に特化した製品展開
価格帯はカッシーナの約半分で、より身近な存在
認知度と売上の実態
興味深いのは、世界市場と日本市場でのプレゼンスの違いです。世界的にはモルテーニ(348億円)やB&B Italia(174億円)がカッシーナ(135億円)を売上で上回っていますが、日本での認知度はカッシーナが圧倒的です。
カッシーナ・イクスシーの2022年度売上高は約90億円。これは日本の高級輸入家具市場において、単一ブランドとしては最大級の規模といえます。
一流ホテルが証明するブランド力
国内外の採用実績
カッシーナの知名度を支える重要な要因の一つが、一流ホテルでの採用実績です。
海外での実績
1952年の豪華客船「アンドレア・ドーリア」のインテリアを手掛けて以来の伝統
世界各国の高級ホテル、レストラン、公共施設での採用
ニューヨーク近代美術館など世界的な美術館での収蔵
日本での実績
ヒルトン東京
リーガロイヤルホテル東京
ザ・オークラ東京
HOTEL FORZA札幌
hotel azabu ten
ホテル シギラミラージュ
これらの実績は、耐久性と美しさの両立、そして「本物」としての価値が認められている証です。ホテルは年間数千回もの使用に耐える必要があり、この過酷な条件をクリアできるブランドは限られています。
カッシーナを「知名度ナンバーワン」たらしめる5つの理由

1. 歴史の重み:100年の伝統と45年の日本展開
1927年創業、約100年の歴史を持つカッシーナ。日本では1980年から45年間、一貫した品質とサービスを提供し続けています。この時間の蓄積が、他のブランドには真似できない信頼を生んでいます。
2. イ・マエストリコレクション:巨匠作品の正統継承
ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、チャールズ・レニー・マッキントッシュなど、20世紀の巨匠たちの作品を正式にライセンス生産できるのはカッシーナだけ。この独占的な権利が、ブランドの格を決定づけています。
全ての製品には著作権継承者のサインと製造番号が刻まれ、「本物」であることの証となっています。
3. 日本市場への徹底的な適応
カッシーナ・イクスシーは、単なる輸入代理店ではありません。世界で唯一のライセンス生産権を持ち、日本の住環境に合わせた製品開発を行っています。
日本人の体格に合わせたサイズ調整
高温多湿な気候に対応した素材選び
和室にも合うデザインの開発
4. 文化的影響力とメディア戦略
カッシーナは家具ブランドの枠を超えた文化的アイコンとして認識されています。建築・デザイン系の専門誌から一般のライフスタイル誌まで、幅広いメディアで取り上げられ続けています。
また、ニューヨーク近代美術館(MoMA)などの世界的な美術館に収蔵されている事実も、その芸術的価値を裏付けています。
5. 資産価値の高さ
カッシーナの家具は、中古市場でも価値が下がりにくいことで知られています。カグプロの査定データによると、「99%の確率で事前査定額を維持」という驚異的な資産価値の安定性を示しています。
これは単なる消費財ではなく、投資対象としても評価されることを意味します。富裕層にとって、この資産性は重要な購入動機となっています。
日本市場での課題と現実
限定的な市場規模
高級家具市場自体が限定的であることは事実です。カッシーナの関係者も認めるように、「そもそもラグジュアリー家具というのが一般的な知名度としてそこまで高くありません」という現実があります。
カッシーナ・イクスシーの売上高90億円(2022年)は、家具業界全体から見れば小さな規模です。例えば、ニトリの売上高は1兆円を超えており、市場規模の違いは歴然としています。
価格帯による敷居の高さ
カッシーナのソファは100万円を超えるものが多く、一般消費者には手が届きにくい価格帯です。この価格の壁が、認知度は高くても実際の購入には至らない要因となっています。
しかし、この高価格帯こそが、ブランドの希少性と憧れを生み出し、「知名度」を支える要因にもなっているという皮肉な側面もあります。
まとめ|カッシーナは「高級家具の代名詞」として日本に定着
カッシーナが「日本で知名度ナンバーワンの高級家具ブランド」と言えるかどうか。この問いへの答えは、「知名度」をどう定義するかによって変わります。
一般認知度という観点では、確かにカッシーナは日本で最も知られた高級家具ブランドの一つでしょう。45年間の継続的な市場展開、一流ホテルでの採用実績、メディアでの露出などが、その認知を支えています。
市場シェアの観点では、高級家具市場という限定的な市場において、単一ブランドとして最大級の存在感を示しています。
ブランド価値の観点では、巨匠作品の正統継承権、資産価値の高さ、文化的影響力など、他のブランドには真似できない独自の価値を持っています。
結論として、カッシーナは「日本における高級家具の代名詞」として、確固たる地位を築いているといえるでしょう。それは単純な知名度の高さだけでなく、長年かけて築いた信頼、品質、そして文化的価値の総体として評価されるべきものです。
高級家具選びは、人生における大きな投資です。その選択において、カッシーナという名前が持つ重みと価値を理解することは、賢明な判断の第一歩となることでしょう。

カグプロが提供する高級家具の価値評価サービス
\高級家具の真の価値を知りたい方へ/
カグプロでは、カッシーナをはじめとする高級ブランド家具の専門買取サービスを提供しています。
カグプロが選ばれる理由
✅ 高級家具専門の査定技術:ブランド価値を正確に評価
✅ 99%減額なし保証:事前査定額から減額することは99%ありません
✅ 豊富な実績:4,300件以上の取引実績、おいくら4.76点の高評価
✅ 即日対応可能:神戸・芦屋・大阪エリアは当日査定も可能
「所有している高級家具の現在価値を知りたい」「買い替えを検討しているが、適正な評価を受けたい」とお考えの方は、まずカグプロの無料査定をご利用ください。
カッシーナ、B&B Italia、アルフレックス、ポルトローナ・フラウなど、イタリアモダン家具の価値を熟知した専門スタッフが、あなたの大切な家具を適正に評価いたします。高級家具は単なる消費財ではなく、価値ある資産です。その価値を正しく理解し、次のオーナーへとつなぐお手伝いをさせていただきます。




