冬もカビる!大切な家具を守る|日本の高湿度環境で避けるべきカビ対策の全知識
- Norifumi Hanada

- 1月26日
- 読了時間: 13分
「せっかく購入した高級ソファの裏側に、白い斑点を見つけてしまった」「梅雨時期になると、お気に入りの家具からカビ臭がする」――このような経験をされた方も少なくないでしょう。
日本は世界的に見ても湿度が高い国として知られています。気象庁のデータによれば、6月・7月の平均湿度は78%・80%にも達し、カビの繁殖に最適な環境が整ってしまいます。特に梅雨から夏にかけての時期は、高温多湿というカビにとっての理想的な条件が揃うため、大切な家具を守るための対策が欠かせません。
高級家具は決して安い買い物ではありません。カッシーナやアルフレックス、B&B Italiaといったブランド家具は、適切なメンテナンスを施せば何十年も使い続けられる一生ものです。しかし、カビが発生してしまうと、見た目の美しさを損なうだけでなく、家具の寿命を大きく縮めてしまいます。
この記事では、日本特有の高湿度環境における家具のカビ対策について、徹底的に解説していきます。

本記事のポイント
日本の気候とカビの関係:なぜ日本では家具にカビが生えやすいのか
家具にカビが発生する3つの原因:湿度・温度・栄養源の科学的解説
素材別のカビリスク:木製・革製・布製家具それぞれの特性
実践的なカビ対策7選:今日から始められる具体的な予防方法
カビ発生時の正しい対処法:素材を傷めない除去テクニック
プロに依頼すべき判断基準:専門業者のサービス内容と選び方
日本の高湿度環境がもたらすカビリスク。冬も。
世界屈指の高湿度国・日本
日本は四季折々の美しい自然に恵まれた国ですが、その一方で年間を通じて湿度が高いという特徴があります。特に梅雨時期の6月から夏季の9月にかけては、気温が25〜30℃、湿度が70〜80%という、カビが最も繁殖しやすい条件が続きます。
この高温多湿の環境は、カビの成長を促進する完璧な舞台です。文部科学省の調査によれば、カビは湿度が60%以上になると活動を始め、70%を超えると急速に繁殖することが明らかになっています。
近年の気候変動による影響
近年の気候変動により、日本の湿度環境はさらに厳しさを増しています。集中豪雨の増加、梅雨の長期化、夏季の高温化などにより、室内環境の湿度管理がますます重要になってきました。
さらに、現代の住宅は高気密・高断熱化が進んでおり、室内の湿気が逃げにくい構造になっています。快適性を追求した結果、皮肉にもカビが発生しやすい環境を作り出してしまっているのです。
家具が受ける湿気の影響
家具は、室内の湿度変化をダイレクトに受けます。木材は湿気を吸収する性質があり、革製品は湿度が高いとカビの栄養源になりやすく、布製品は水分を含みやすい素材です。
特に注意が必要なのは、壁に密着させて配置した家具です。壁と家具の間に空気の流れがないと、湿気がこもり、カビの温床となってしまいます。北側の部屋や日当たりの悪い場所では、この傾向がさらに顕著になります。
家具にカビが発生する3つの原因。梅雨だけじゃない。
カビが繁殖するためには、以下の3つの条件が必要です。これらの条件を理解することで、効果的な対策を講じることができます。
原因①:湿度60%以上の環境
カビは湿度60%を超えると活動を始め、80%以上になると爆発的に繁殖します。日本の梅雨時期や夏季は、まさにこの条件が揃ってしまう時期です。
湿度が高くなりやすい場所として、以下が挙げられます。
日当たりの悪い北側の部屋
1階や地下など、地面からの湿気を受けやすい低層階
結露が発生しやすい窓際
クローゼットや押入れなど、閉鎖的な空間
洗濯物を室内干しする部屋
特に、家具を壁にぴったりとくっつけて配置している場合、家具の裏側は空気の流れが遮断され、湿気が溜まりやすくなります。
原因②:温度20〜30℃の環境
カビが最も活発に成長する温度帯は25〜30℃です。この温度帯は、人間が快適と感じる室温とほぼ一致しているため、通常の生活環境がそのままカビの繁殖に適した環境になってしまいます。
梅雨から夏にかけての時期は、高温と高湿度が同時に発生するため、カビにとって理想的な環境が整います。エアコンで室温を下げることは、カビ対策としても有効です。
原因③:栄養源の存在
カビは、ホコリ、皮脂、汗、食べ物のカスなど、さまざまな有機物を栄養源として繁殖します。家具の表面に付着した汚れや、空気中を漂うホコリが、カビの格好の餌になってしまうのです。
木製家具の場合、木材そのものがカビの栄養源になります。革製品も同様で、革に含まれるタンパク質や使用時に付着した皮脂がカビの餌になります。布製品は、ホコリや皮脂を吸着しやすいため、特に注意が必要です。
掃除が行き届かない家具の裏側や、引き出しの奥などは、ホコリが蓄積しやすく、カビが発生しやすい場所です。
素材別に見る家具のカビリスク
家具の素材によって、カビの発生リスクや対策方法は異なります。それぞれの特性を理解することが重要です。
木製家具のカビリスク
木材は「呼吸する素材」と言われ、湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥している時は湿気を放出する調湿機能を持っています。この特性は快適な室内環境づくりに貢献しますが、湿気を多く含んだ状態が続くと、カビが発生しやすくなります。
特に無垢材を使用した高級家具は、合板や化学塗装を施した家具と比べて、湿気の影響を受けやすい傾向にあります。ただし、適切なメンテナンスを行えば、無垢材の調湿機能がカビの発生を抑制する効果もあります。
木製家具で注意すべきポイントは以下の通りです。
ベッドフレームのすのこ裏側
タンスや本棚の背面
ダイニングテーブルの裏面
壁に接している収納家具の内部
革製家具のカビリスク
革製のソファや椅子は、高級感があり長く愛用できる家具ですが、カビが非常に発生しやすい素材です。革に含まれるタンパク質や油分が、カビにとって格好の栄養源になるためです。
革製品に発生するカビの多くは「白カビ」で、表面に付着するタイプのため、早期に対処すれば除去が可能です。しかし、放置すると革の内部に根を張り、シミや変色の原因になります。
革製家具で特に注意が必要な場所は以下の通りです。
ソファの座面裏側や背面
レザーチェアの座面と背もたれの接合部
クッション部分の縫い目
革製品を保管しているクローゼット内部
革製品は湿度70%以上でカビが発生しやすくなるため、保管場所の湿度管理が極めて重要です。
布製家具のカビリスク
ファブリック素材のソファやクッションは、水分を吸収しやすく、ホコリや皮脂も付着しやすいため、カビが発生しやすい素材です。特にマットレスは、就寝中の汗を吸収するため、定期的な湿気対策が必要です。
布製家具のカビ対策として、以下のポイントに注意しましょう。
クッションの定期的な陰干し
マットレスを立てかけて湿気を逃がす
取り外せるカバーは定期的に洗濯
ソファ下の掃除と通気性の確保
今日から実践できる7つのカビ対策
ここからは、家具のカビを防ぐための具体的な対策方法をご紹介します。どれも今日から実践できる内容ですので、ぜひ取り入れてみてください。
対策①:湿度を40〜60%に保つ
最も重要なカビ対策は、室内の湿度を適切に管理することです。カビは湿度60%以上で活動を始めるため、常に湿度を60%以下に保つことが理想的です。
具体的な方法として、以下が挙げられます。
エアコンの除湿機能を活用する
除湿機を設置する(特に梅雨時期)
湿度計を設置して数値を把握する
洗濯物の室内干しを避ける
加湿器の過度な使用を控える
クローゼットや押入れなど、閉鎖的な空間には除湿剤を置くことも効果的です。ただし、革製品を保管する場合は、塩化カルシウム系の除湿剤ではなく、シリカゲル系の除湿剤を使用してください。
対策②:こまめな換気を習慣化する
1日1回は窓を開けて換気を行い、室内の空気を入れ替えましょう。換気によって湿気を外に逃がすことができます。
効果的な換気のポイントは以下の通りです。
晴れた日は15〜30分程度窓を開ける
対角線上の窓を開けて風の通り道を作る
サーキュレーターや扇風機で空気を循環させる
クローゼットや押入れも定期的に開放する
雨の日は除湿機を使用する
特に梅雨明けの晴れた日は、積極的に換気を行い、室内にこもった湿気を一気に排出しましょう。
対策③:家具と壁の間に隙間を作る
家具を壁にぴったりとくっつけて配置すると、空気の流れが遮断され、湿気がこもってカビの温床になります。家具と壁の間に3〜5cmの隙間を空けることで、空気の流れを確保できます。
特に以下の場所では、必ず隙間を空けるようにしてください。
北側の壁に面した家具
窓際の家具
外壁に接している壁面の家具
大型の収納家具(タンス、本棚など)
隙間を空けることで、掃除もしやすくなり、ホコリの蓄積も防げます。
対策④:定期的な掃除とメンテナンス
カビの栄養源となるホコリや汚れを取り除くことも、重要なカビ対策です。以下の頻度を目安に掃除を行いましょう。
週1回のメンテナンス
家具表面のホコリを乾いた布で拭き取る
家具の下や裏側を掃除機で清掃
クッションを陰干しする
月1回のメンテナンス
家具を壁から離して背面を清掃
収納家具の中身を整理し、内部を掃除
革製品には専用クリームで保湿
季節ごとのメンテナンス
マットレスの表裏を入れ替える
クローゼット内の衣類を整理し、虫干しを行う
家具全体を点検し、カビの兆候がないか確認
革製家具の場合、保湿クリームを塗りすぎるとカビの原因になるため、塗布後は必ず乾拭きして余分な油分を取り除いてください。
対策⑤:家具の配置を工夫する
カビが発生しにくい家具の配置を心がけることも大切です。
脚付きの家具を選ぶ(床との間に空気の流れができる)
通気性の良い素材を選ぶ(ラタン、すのこベッドなど)
家具を密集させず、空気の通り道を確保する
日当たりの良い場所に家具を配置する
特にベッドフレームは、床との間に空気の流れを作ることで、マットレスの湿気対策になります。すのこベッドは通気性に優れており、カビ対策として非常に有効です。
対策⑥:防カビグッズの活用
市販の防カビグッズを活用することも効果的です。
防カビ剤配合の家具用クリーナー
抗菌効果のある防水スプレー(革製品・布製品)
吸湿シート(マットレスの下に敷く)
除湿剤(クローゼット、押入れ用)
ただし、使用する際は必ず家具の素材に適したものを選び、目立たない場所で試してから使用してください。
対策⑦:季節に応じた対策を実施
梅雨時期(6〜7月)
除湿機をフル稼働させる
晴れ間を見つけて積極的に換気
クッション類を頻繁に陰干し
夏季(7〜9月)
エアコンの除湿機能を活用
室温を25℃以下に保つ
汗をかいた衣類はすぐに洗濯
秋季(9〜11月)
台風シーズンの湿気に注意
夏の間に溜まった湿気を換気で排出
冬季(12〜2月)
結露対策を徹底
加湿器の使いすぎに注意
暖房による温度差でカビが発生しやすい場所をチェック
カビが発生してしまった場合の対処法
万が一、家具にカビが発生してしまった場合でも、早期に対処すれば元の状態に戻すことが可能です。ただし、素材によって適切な対処法が異なるため、注意が必要です。
木製家具のカビ除去方法
木製家具に軽度のカビが発生した場合は、以下の手順で対処してください。
マスクを着用し、屋外または換気の良い場所で作業する
乾いた布やブラシでカビを拭き取る
硬く絞った布で水拭きする
乾いた布で水気を完全に拭き取る
風通しの良い場所で完全に乾燥させる
消毒用エタノールで軽く除菌する(変色しないか確認してから)
注意点:塩素系カビ取り剤は木材を変色させるため、使用しないでください。
革製家具のカビ除去方法
革製品のカビは、早期発見・早期対処が鍵です。白カビの場合、以下の方法で除去できます。
馬毛ブラシでカビを払い落とす
革専用のカビ取りスプレーを使用する
柔らかい布で優しく拭き取る
風通しの良い日陰で完全に乾燥させる
革用クリームで保湿する
乾拭きして余分な油分を取り除く
注意点:消毒用エタノールは革を変色させる可能性があるため、革専用のカビ取り剤を使用してください。色落ちや変色が心配な場合は、必ず目立たない場所で試してから使用しましょう。
布製家具のカビ除去方法
布製家具のカビは、素材を傷めないよう慎重に対処する必要があります。
屋外でブラッシングし、カビを落とす
カバーが取り外せる場合は、洗濯する
取り外せない場合は、消毒用エタノールをスプレーし、乾いた布で拭き取る
日光に当てて殺菌・乾燥させる(色あせに注意)
ファブリック用の防カビスプレーを使用する
注意点:カビが深く根を張っている場合、家庭での除去は困難です。

プロに依頼すべき判断基準
カビの状態によっては、専門業者に依頼することをおすすめします。以下のような状況では、プロに相談しましょう。
プロに依頼すべきケース
カビの範囲が広く、家具全体に広がっている
黒カビが発生し、深く根を張っている
家庭での除去を試みたが、カビ臭が取れない
高価な家具で、自己流の対処でダメージを与えたくない
家具だけでなく、壁や床にもカビが広がっている
アレルギー症状が出ており、カビの徹底除去が必要
専門業者に依頼するメリット
①素材を傷めない適切な処理 専門業者は家具の素材に応じた適切なカビ取り方法を熟知しており、家具にダメージを与えることなくカビを除去できます。
②根本からの徹底除去 表面的なカビ取りだけでなく、カビの根まで徹底的に除去するため、再発リスクを大幅に減らせます。
③防カビ処理の実施 カビ取り後に防カビコーティングを施すことで、長期的なカビ対策が可能になります。
④周辺環境のチェック 家具だけでなく、周辺の壁や床もチェックし、必要に応じて総合的な対策を提案してもらえます。
まとめ|大切な家具を守るために
日本の高湿度環境において、家具のカビ対策は避けて通れない課題です。しかし、適切な知識と対策を実践することで、大切な家具を長く美しい状態で保つことができます。
カビ対策の3つの基本
湿度管理:常に室内湿度を60%以下に保つ
換気と通気性:こまめな換気と家具配置の工夫
定期的なメンテナンス:清掃と点検を習慣化
カッシーナやアルフレックス、B&B Italiaといった高級家具は、適切なケアを施せば何十年も使い続けられる一生ものです。カビから家具を守ることは、その投資価値を守ることにもつながります。
もし、すでにカビが発生してしまった場合や、大切な家具を専門家に診てもらいたい場合は、家具専門の買取・メンテナンスサービスを利用することも一つの選択肢です。

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